Access の限界

マイクロソフトのデータベースアプリケーションとしてアクセス Accessがあります。エクセルで管理していたがより多くのデータを効率的に扱いたい、業務プロセスに合わせてDBシステムを簡単に構築したいということでAccessを取り入れることが多いと思います。しかしAccessにも限界があります。このことを十分理解したうえで導入を判断したほうが良いのです。

Access を使って実際に業務を行って気が付くことは、同時アクセス数に限界があることです。相談があったコールセンターでは、Accessを使って顧客情報管理を行っていたのですが、当初は2~3名規模からスタートしたのがいつの間にか20~30名で使う規模にまで成長しました。10名を過ぎるあたりから動作が遅くなることに気づいたそうですが、何の手立てもなくそのまま放置し20~30名規模になったことろにはAccessがフリーズしたり、起動に失敗するようにもなりました。起動時間に1時間もかかることもあるそうです。もともとは小規模の運用を前提としたアプリケーションなのでしょう。アプリケーションはAccessのデザインを残したままデータベースをSQL-server に移行したのですが、焼け石に水、劇的な改善はできませんでした。

レコードのサイズが大きくなるにつれてレスポンスが遅くなることもありました。テーブル構造の正規化、クエリの最適化などを適切に行えば改善の余地もあると思います。しかしAccess の魅力としてうたわれている開発者以外も簡単にアプリを作成できるというキャッチコピーとは相反します。簡便にDBシステムが構築できるのですが、業務規模によっては対応できなくなることがあるのです。

抜本的な解決はDBシステムを構築することになります。AccessDBからデータを移行することもできます。無邪気にAccessアプリ開発を行ったケースでは、テーブル構造の最適化は慎重に行う必要はあるでしょう。業務規模に合わせてインフラ設計を行うことで多人数のアクセスにも十分耐えうるでしょう。


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