AVRマイコンを使う上でのメリット/デメリット

AVR ATMega328はフィジカルコンピューティングとして有名なArduinoボードでも使われているマイコンです。AVRマイコン単体で使う場合とArduinoボードで使う場合の比較した場合のメリット・デメリットについて紹介します。

AVR単体のメリット

基板のデザインが自由に出来る

センサーなどのデバイス、モジュールや他機器との接続のためのコネクター等をAVRマイコンと同一基板上に実装することが出来ます。所望の筐体に合わせて基板の形状を決めることが出来ます。これは製品化を考えたときに使いやすいといえるでしょう。

マイコンの選択肢がある

仕様の必要に応じてマイコンのモデル(ATmega,ATtiny…)を選択することが出来ます。必要十分なマイコンを選定することはコストダウンにもつながります。

マイコンの細かな設定が可能

フューズビットを操作することが可能。例えばクロック用外部発振器の有無を選択することが出来る。

量産、小ロット生産

 コストダウン、基板の最適化、仕様の絞り込みができることから、量産および小ロット生産に向いている
AVRマイコンの最小構成であれば100円(小ロット生産時)から実現可能。(ArduinoボードはUnoが2,520円)

AVR単体のデメリット

AVR開発環境

開発環境であるATMEL STUDIO(2012年6月時点での最新版はATMEL STUDIO6)はArduino IDEに比較して難しく習得へのハードルが若干高い。
例えば、入出力ピンの設定、ピンへの入出力にビット操作で行うなど。

ただしこのデメリットもArduinoIDE(0.22でサポート、1.0はサポートされていない)を使うことで解消できる。Arduino言語が使えること、Arduino用のライブラリーが利用できることのメリット(習熟の容易さ、開発期間の短縮)は大変大きい。同じマイコンATMega328を使うことでArduinoでプロトタイプしたものをほとんど変更なくAVRへ移植するといった開発プロセスを行うことも可能。

PCとの接続

試作用の基板またはブレッドボードを使って、PCからプログラムをアップロードするための回路を構成する必要がある。

接続例1

接続例1ではブレッドボード上にAVRISPmkIIコネクターとATmegaの配線とその他部品との配線を行なっています。ArduinoボードはUSBポートを備えているのでそのままPCとの接続ができることを考えると、AVRを使う上ではその準備に手間がかかるといえよう。


接続例2
接続例2ではAVR試作検討用基板(写真下)をオリジナルで起こしたもの。基板上にはISPコネクター、水晶発振器(オプションで発振器の実装有無が選択)、LCDモジュール用コネクターを実装し、よく使うであろう機能に絞って基板上に構成しました。これによって省スペース、LCDモジュールとのコネクター接続による一体化、コストダウンを行うことが出来ました。(写真ではISPコネクターをハーネスで延長しています)

AVRボードについて

幾つかのI/Oピンも基板上のランドに出していますので、外部機器との接続とLCDに表示する回路構成であればこのボードを使って試作から製品化まで利用することも可能でしょう。


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